2018年4月1日日曜日
奇跡は起こる!【天才VS努力の人】
今回もベトナムとは何の関係もない話で、恐らく誰も興味はないと思うが、感動する話だ。
郷州征宜は、生まれながらに難聴の障害があり、耳が聞こえない。
彼は努力だけでキックボクサーになり、努力だけで実績を積み上げて来た。
何故「努力だけ」と言い切れるかと言えば、彼の試合を見れば解る。
パンチもキックも下手クソなのである。
恐らく、並み居るキックボクサーの中でも、かなりのヘタクソな部類だ。
不器用で華麗な技がある訳でもない。
しかし、彼は下がらない。
どんなに殴られ蹴られても、武骨なまでに前へ出て戦う。
前進あるのみ、なのである。
彼は試合の度、障害を抱えた子供達を会場に招待している。
その子供達の前では、たとえ負けたとしても後退は無いのである。
そんな彼に、ついにKrushアンダー60kg王座に挑戦するチャンスが巡って来た。
相手は、チャンピオンである天才・安保3兄弟の三男、安保 璃紅だ。
下馬評では圧倒的にチャンピオンが有利、実際の試合でも最終ラウンドまでチャンピオン優勢で、このまま判定でチャンピオンが王座防衛かと思われた。
しかーし!
なんと!
最終ラウンド残り18秒で、奇跡が起こるのである。
チャンピオンの出した膝蹴りに合わせた左のパンチがカウンター気味に入り、チャンピオンはダウンを取られた。
見様によっては、スリップと取れなくもない。
しかし、リプレイを見れば、ヘナチョコパンチだがカウンターで入っている。
そしてジャッジは「ダウン」。
それでいいのだ。
空気を読めば、ここは当然「ダウン」だ(笑)
そのまま試合は終了。
判定は2-1と割れたが、郷州征宜が新チャンピオン!
会場は大声援!
そして、チャンピオンベルトが贈呈された時、会場には我らがイングヴェイ伯爵のイカルスの夢・組曲 作品4が流れるという演出!
もう、おっちゃんは涙なしでは見ることができない。
何故、郷州征宜は勝てたのか?
下がらず前に出たからだ。
もし下がっていたら、あの左が当たることもなかったのである。
郷州征宜は男だ。
素晴らしい!
感動した!
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彼の最後のスピーチは素晴らしいですね、すべての人に感謝の気持ちを伝えられない思いを、せめて精一杯、今の自分があるのは嫁さんの支え、またお世話になった企業の方々、また同じ障がいを持つファンの人々のお陰で手にすることができたチャンピオンベルトなんだとしかも冷静に語られています、ほんとうの意味での日本人のチャンピオンだと思います。
返信削除また「下がるな!」僕も学生時代に心した教訓です、「前に出る」それが唯一自分自身で自分を守る生きた哲学だと思っています、素晴らしい動画の紹介、またブログの記事をありがとうございます。
こちらへはベトナムのハノイで活躍されているHOCさんの記事からお邪魔させていただきました。
donaisiyokanaさん、こんにちは。
削除この後、彼はK-1のトーナメントに出たのですが、惜しくも準決勝だったかで敗れてしまいます。
インタビューで号泣し、第一声が、
「この日のために会社から1ヶ月の休みを頂いて応援してもらったのに、申し訳なくて・・・。」
です。
「おまえ、なんて良い奴なんだ」と、おっちゃんはまたも涙しました(笑)
負けても尚、声援が集まる男。
そして、そういう男を声援する日本のファンは素晴らしいと思いました。